この1世代後の116520に搭載されているロレックスの自社製クロノグラフムーブメントCal.4130も手応えは固いんですよね。
デカいパーツを使って、ガチガチに頑丈なムーブメントにしたんだろうなということが伝わってくるような感触です。
まあ、プッシュボタンを押し込んだ時の「カチッ!」という感触はわかりやすいし、ボタンを押し込んだ後のクロノグラフ秒針の動き方も唐突ではなく、厳粛に「チチチチチ・・・」と細かく動き出す感じで、悪くはないのですが、とにかく固い・・・。
信頼性を重視すれば、ある程度しっかりした手応えになってしまうのは仕方がないのかもしれませんね。
あと、僕が所有していたデイトナ・エル・プリメロの場合、上の画像のように文字盤の9〜10時付近に変な「テカり」が出ていましたが、これは風防の反射ではありません。
文字盤の艶あり塗装が劣化して来て、ボツボツと文字盤の表面に「荒れ」が浮き出て来ています。 まるで艶消しの「マット塗装」のようになってきているんですね。
このモデルは比較的前期のモデル・・・ロレックスのスポーツモデルの文字盤がだんだんマット塗装から艶あり塗装へと入れ替わってきた頃ですが、まだこの頃の艶ありグロス塗装の質はあまり安定していなかったんだなあ・・・と思えます。
これはこれでいい味を出していました。 ヴィンテージはやはり変に「テカテカ」と光ってない方がいいんですよね。
総評すると、「労働者の時計」と言われていたロレックスが、ラグジュアリー・ウォッチへと脱皮していく・・・、その端境期に出てきた時計であり、新旧世代のいいところがうまく混ざった時計だと思います。
古き良き時代のロレックスの軽い気軽さと頑丈さを備えていながらも、ここから6桁ラグジュアリー路線へと繋がっていくスマートさも感じられる。
無骨さと洗練がうまく混ざり合った傑作です。
見た目は1世代後の116520とさほど変わらなくても、116520の押しが強いキラキラ感がない・・・
押しの強さが苦手だけど、デイトナが欲しいという人には極めて現実的な選択肢になると思います。